罪語りて所在の月を見る
事がことだし、男子たる自分が関わるべきではないかと渉は考えるのをやめた。
丁度思考の区切りで見れば、委員長(仮定)の説教がうざいと掴みかかろうとした男子生徒にどこからともなく現れたチャイナ服の教師が、飛び蹴りを食らわしていた。「教育的しどおぉ!」と言ったような気がする。
――さて、当初のテーマを戻そう。
一連のことは決して無駄な笑いを取るためでのことではなく(そもそもあの程度で笑うなどあり得ない)、また改めて『清掃時間が放課後』の理由を考えるいい見本となった。
授業が終わった放課後は、生徒が『縛られない時間』だ。部活にせよ、帰宅にせよ、生徒は放課後の行動を選択できる。
授業のように出なければ卒業できないというリスクがあればサボる生徒はほとんどいないにせよ、清掃時間に単位はつかない。