罪語りて所在の月を見る
しかし、生き生き有頂天溝出は棚上げもそこそこに、逃げる不良たちを追いかけた。
また回り込むのかと思えば、後ろからわざと追うようなスピードで歯をカタカタ鳴らす。
「逃げろ逃げろおぉ!ほらほら、俺に捕まれば、未経験のままでおっ死ぬぞ、ゴルアァァ!」
「「「いやだあぁぁ!」」」
「ヒャハハっ、どこまでもつきまとうぜぇ!鬼ごっこならぬ骨ごっこしてやんよ!」
上手くないから、それ。
俄然やる気な溝出は、優越感からわざと獲物を逃して追いかけ回すみたいだった。「トラウマにならない程度にですよ」と渉も一応は不良たちに心遣いを持って、溝出に言うが、もう視界から消えていた。
早いなぁとしばらく誰もいなくなった場所を見て。