狭い空
「・・・ふぅ。」
僕の部屋はたった6畳しかない
ひんやりした洋室。
ベットとこたつ机、
それと本棚しかない
高校生らしくない部屋。
男子高校生なら誰しもある
やましい本なんて
僕の部屋には一切ない。
必要ない。
今僕が欲しいのは
いつでも外にでていける自由
それ以外は欲がないんだ。
昔母さんに
思い切って行ったことがあった。
ドアの向こう側にいるであろう
母を連想しながら
「僕はいつ自由に歩ける?」
母さんは言った
「あなたに自由なんかないわ」
その時思った
僕は死ぬまで
自由にはなれないんだ
なら
自分で自由にならなきゃって…。
僕の部屋には
窓がある
ただどこもあかない
だから空気だって悪い
でもまだ平気だ
この小さな窓から
見える分だけの世界を
毎日飽きずにみている
朝日が昇って
夕方には暗くなるこの世界を
ただひたすら見るんだ
今日も
明日も
明後日も
その次の日も…
ずっとずっと
ひたすら見続けるんだ
だってそこしか
外の世界とつながれないのだから。