今の君を忘れない
私が家に帰ったら一人だと話すと、亮は家にこい。といった。

悪いよ。と断ったけれど、いやおれんちも妹と姉ちゃんしかいねえからさ。といって家にいれてくれた。

「ただいま」

「亮、お帰りって彼女?めっちゃかわいいんですけど」

「ああ、彼女じゃねえよ。姉ちゃんなんか服、かしてやって。」

「…ああ。わかったわ。」

亮のお姉さんはすんなりと状況を理解したようだ。

「瑞希、なんにもないけど。入って。」

「うん。お邪魔します。」


亮のお姉さんはとても優しくて、妹はかわいかった。

みんなまた来てね。

と言ってくれて、今日は怖いだろうから。といって、泊めてもらうことになった。

お姉さんの部屋に…ね。

『ぷるるる』

私の携帯がなった。

拓斗だったらぜったい出ない。

ディスプレイをみると

『優愛』

と表示されたから電話にでた。

『瑞希!今どこ』


言っていいのかわからなかったから黙った。

「…」

『言えないの?まあいいやあのね。中村さんと松本くんが事故にあって…亡くなった。』

「え?」

私はその場に携帯を落とす。

『瑞希?瑞希ィ!』

「瑞希?」

亮が私の名前を呼ぶ。だけど、亮の言葉に振りかえれなかった。

『新川くん?瑞希と一緒なの~??だれか携帯にでて!』

「優愛?おれだよ。亮!どうしたの?」

『中村さんと松本くんが事故にあって…亡くなった。』

「え?事故って」

『電車にひかれたのよ。なんかわかんないけど踏切こえてたらしいの』
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