[続]隣人には気をつけろ
*
「ヤジロー凄かったよ~!まじで、あれは感動したっ」
ショーが終わってからも前田の興奮は冷めることはなかった
「ザキ、ヤジロー凄くなかった??」
ほてりを帯びた表情でそう言ったが、
「ヤジローって誰」
「はぁ!?」
「あ、いや…ごめん。」
実はおれのさっきまでの頭の中は、イルカショーの事よりも
この後のことでいっぱいだった。
「ザキもちゃんと見ておきなよ!ヤジローガンバッてたんだから!
あ、それよりもう帰る??」
思い出したようにいった一言。
おれは急に立ち止まった。
「あのさ、前田…。」
「なに??」
くるんっと振り返った彼女に
「近くに浜辺があるんだけど、
…行かない、か?」