キャンディーをひとつ
ファースト・コンタクト
放課後の教室ではさっさと荷物をまとめて帰る者、
その場に残って1年時の友達とまだ話をする者、
新たに友達を作るべくクラスメイトと話を試みる者が居た。
2組に私の友達はまだ居ない。
1年の時の友達は皆別のクラスへ散ってしまった。
少し寂しくはあったが、別段一人でも嫌では無い。
先生に頼まれた、
プリントやワーク類を職員室へ持っていくために
教壇へ行き、まとめて抱え上げようとした時、
「結構多いよなあ」
「っえ」
いつの間にかひょっこりと横に副議長が居た。
そして彼は私の持っていたワーク達を半分以上持ちあげると、
軽々とその腕の中にしまった。
「篠原さん、だっけ!1年間よろしくな」
爽やかに笑う彼に、私はどうしていいのか分からなくなった。