Dear
「――よし、今日はここまで。号令!」

「起立。…気をつけ、礼」

「「ありがとーございましたぁ!」」



天木の長い社会も終わり、掃除に入った。

ちなみにアタシの班の掃除は保健室。
この時間の保健室は、我が瑞川三中では不良のたまり場で、保健室掃除は好まれていなかった。

ジャンケンに弱いアタシは場所決めジャンケンで見事負けまくり、此処の掃除を担当することになった。
ちなみに、この班の班員はアタシ、疾風、他4名と、何とも楽しくない班だ。


「失礼しまぁす」


緊張しながら入ると予想通り、中々の数の不良様方が集まっていた。
なんで先生は見て見ぬ振りをしているのだろうと聞きたい。


「じゃ、アタシ箒やるね」

「俺も箒やるわ」

「わ、私雑巾…」

「ぼ、僕も雑巾…」


オドオドとしながら掃除を進めていく他二人。
(他四名の内、二人しかいなかった)
保健室のベンチに腰を掛け、ゲラゲラと笑い話している不良様方。
身分の差が激しすぎる…!と思っているとベッドから苛々しまくりの茶髪が出てきた。


「っるせぇな…」


彼がそう言うと、保健室の不良様方が立ち上がって、みんな一斉に声を揃えた。


「「ちゃーっす!龍斗さん!」」


"タツト"と聞いたことのある…というか、聞き馴染みのある名前を聞いて、よく顔を見てみると、その彼はアタシの知り合いだった。


「ありゃ、たっちゃん」

「あ?…おぅ、雪那」
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