Dear
仲良く話しているアタシと不良様…龍斗に驚きを隠せていない他二人。

寧ろ、アタシが怖がられている気もする。

龍斗はこの瑞川三中にいる不良様方の"頭"をやっていて、三中の不良様方の中で1番強く、偉いそうだ。
この人の場合、特例がない限りは、学校には来ない…つまり不登校なのである。


「来てたんだね、珍しい」

「ん、まぁ新しいクラスが気になったし。…それから文乃のことも、な」

「あ、クラス一緒だっけ?」

「あぁ、やっとだぜ?」

「うん、おめでと」


文乃は龍斗の彼女で中一からずっと付き合っている。
途中ケンカしたり別れたり…と、まぁ色々あったが。
今は相変わらず、仲の良いラブラブカップルだ。


「てかまぁ、よく続いたよ、うん」

「だよなー」


本当にアイツはさー…、と惚気ながらアタシに語りだした。


「まぁこれからも頑張っ」

「ん。じゃ、一眠りしてくるから」

「ちょ…」


話が一段落すると、また欠伸をしてベッドへと向かうたっちゃん。
…貴様は相変わらず自己中だな。
この人が身長伸びたのは、この尋常じゃない睡眠時間からきているのでは…?と思った瞬間だった。


「じゃあな」

「あ、はい。おやすみー」

「「おやすみなさい、龍斗さん!!」」


アタシの声の直ぐあとに、声を揃えてお辞儀をしている不良様方。

アタシはその状況をみて、苦笑するしかなかった…
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