Dear

隣のクラス

「ふぁー…っ」


眠い中、四限目が今やっと終わり、欠伸をしながら、身体を伸ばしていた。


「雪那ちゃーん!」


とアタシを呼ぶ声がした。
アタシを呼んでいたのは、初めて同じクラスになった女の子。


「はぁーい?」


振り向いて返事をすると、その子はアタシを見て手招きをした。


「雪那ちゃんに、お客さん」

「えっ、誰?」

「廊下にいるから、行ってあげて?」

「あ、うん。ありがと!」


返事をした後、アタシは廊下へ出た。
すると左下から


「観月!」


という声がした。
振り向くと、そこにはまだ私より少し小さいくらいの身長の男の子が一人、しゃがみ込んでいた。


「お客さんって…律輝!?」

「え、うん。」


溜め息混じりに言うと、ビックリしたー、というような返事を返したコイツ。

この人は吉岡律輝。愛称はリッキーで、なんか偉そうな感じだけど、本当は凄く優しい奴。

…そして三年間、私が想い続けてきた人。
< 7 / 23 >

この作品をシェア

pagetop