noa
女 「なに食べるー?ノアっ」
ノア「適当でいいよ」

ハイテンションの女とは違い、ノアはメールを打ちながら答える。

しばらくして、バド部が集まっている後ろの方から歓声が聞こえた。
振り返ると、カナがチエにメイクをしてもらい、チエがみんなに見せびらかしているところだった。

マリ「すっごーいっチエ先輩ッ。カナ、可愛いってー♥」
カナ「まじやめてって、恥ずかしいッ」
チエ「でしょでしょっ?わかったかお前らーッ(笑)」
ゴウ「さすがチエー」

カナはゴウがチエの方ばかりをニコニコと見ていることに気づき、胸がチクリと痛む。

ゴウ「こっち座ってー2人ともっ」

ゴウがカナを自分の前に座らせ、横にチエが座った。

マリ「よかったね、ゴウ先輩に指名されて(笑)」

マリが、カナに耳打ちする。

カナ「うっさいなあ、早くたべようよッ」

顔が赤くなったので、誤魔化すように肉を焼き始める。

ゴウ「カナさん、顔赤くない?暑いの?」
カナ「え、あ、暑いからですっ(汗) ね?」

横にいるマリに同意を求めようと振り向くと、そこにはノアがニヤっとした顔で座っていた。

カナ「なっ!! なんであんた、ここに…」
ノア「知らなかったー? 俺も、一応、幽霊部員だから参加しようかなって」

ニコッと笑う。ノアが元いた席をみると、女が不機嫌そうにこっちを見ていた。
ノアは入部届けを出したものの、一度もバド部の練習に参加してない。
社会人の練習の方に行って、人妻と遊んでいるという噂を耳にしたことがあるのを思い出し、カナが我に返った。
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