蒼幻の天使~A Solitary Flower
集落を出て1時間。
ずっと果てしなく続きそうな森を超えて、突如、目の前に蒼の湖が浮かび上がった。
「……湖と……神殿……!!」
蒼の湖にその姿を美しく映している純白の神殿。
「……あそこに…ママが…!!」
涙が出そうになるのを堪える。
やっとママに逢える嬉しさで胸が張り裂けそうになる。
「降ろして…ここからは歩けるわ」
いずみさんがいつになく小さな声で言った。
いずみさんもママと闇の天使のいるその神殿を前にして緊張しているようだった。
セイジュが彼女を降ろし、小さな神殿を見やる。
「あそこには、カナンだけじゃない。カナンを奪ったファントムの連中もいるはずだ。気をつけろよ」
「わかった、セイジュ。いずみさん、闇の天使のエナジーを感じる?」
三日月のペンダントを握り締めているいずみさんを見下ろして言った。
彼女は漆黒の髪を揺らして答えた。
「…何も。彼は闇の中にその気配を消すことができる。でも不思議と……胸がざわつくわ。何かがここで……起ころうとしている」
「行こう」
セイジュの合図で、わたしたちはその美しい神殿へと歩み出した。
ずっと果てしなく続きそうな森を超えて、突如、目の前に蒼の湖が浮かび上がった。
「……湖と……神殿……!!」
蒼の湖にその姿を美しく映している純白の神殿。
「……あそこに…ママが…!!」
涙が出そうになるのを堪える。
やっとママに逢える嬉しさで胸が張り裂けそうになる。
「降ろして…ここからは歩けるわ」
いずみさんがいつになく小さな声で言った。
いずみさんもママと闇の天使のいるその神殿を前にして緊張しているようだった。
セイジュが彼女を降ろし、小さな神殿を見やる。
「あそこには、カナンだけじゃない。カナンを奪ったファントムの連中もいるはずだ。気をつけろよ」
「わかった、セイジュ。いずみさん、闇の天使のエナジーを感じる?」
三日月のペンダントを握り締めているいずみさんを見下ろして言った。
彼女は漆黒の髪を揺らして答えた。
「…何も。彼は闇の中にその気配を消すことができる。でも不思議と……胸がざわつくわ。何かがここで……起ころうとしている」
「行こう」
セイジュの合図で、わたしたちはその美しい神殿へと歩み出した。