蒼幻の天使~A Solitary Flower
突然、息ができなくなった。

強い力で後ろから抱きしめられ口も大きな手で塞がれる。

私は逃れようと必死にもがいたけど、強い腕の力はそれを許してくれず私はズルズルと保健室に引きずり込まれた。

「う、はらして!!」

離してと叫んだつもりだけど声になりきれない声が大きな手のひらに吸い込まれるだけだった。

まさかまたミラーハウスに引きずり込んだ気味悪い男じゃ…!?

ミラーハウスで闇に包まれて見ることができなかった男の薄気味悪い声が脳裏に甦る。

あいつも…私をリアナと呼んだ。

「リアナ」

その名がまた呼ばれる。

でも、この声を私は知っている。

ハッとした私は思い切り口を塞いでいる手のひらに噛み付いた。

「…っ!」

手は私の顔から離れ痛みをこらえる小さなうめき声が聞こえた。

振り向くと…思ったとおりだった。

「セイジュ!!」

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