蒼幻の天使~A Solitary Flower
「でも、ママ。今までこんなことなかったじゃない!」
ママは力ない表情で無理やり私を突き放す。
「大丈夫だから」
「ママ、病院に行こう。それともパパを呼ぼうか?」
ママは一呼吸つくと、鋭い視線を私に投げかけ、こう言い放った。
「パパには絶対に言わないで。美月、約束して」
……なんで?
なんでなの、ママ。
初めて、パパに秘密ができた。
きっと、パパとママの間でも、初めての秘密。
なんでなの?
ママ……!!
ママは自分で起き上がると、蒼ざめた顔で皿の破片を片付け始める。
私はそれ以上、ママに声をかけられなかった。
ママの表情はいつになく真剣で、娘の私すら寄せ付けない眼差し。
初めてママがわからなくなり、私は言い知れない不安を覚えた。
夕食も終えてなんとか落ち着いたママを見て、私は部屋に戻り、沙希との約束を果たすためにカバンから携帯を取り出す。
そんな気分じゃないんだけど。
拓ちゃんはメールが嫌いだから、いつも電話をかけることにしている。
「拓ちゃん、帰ってた?私だけど……」
「ああ、美月。どした?」
いつもながら、そっけない返事だと思いながら私は親友のために早速核心に入ることにした。
善は急げ、だ。
「あのね、私の親友の沙希って知ってるでしょ?沙希が拓ちゃんと会ってゆっくり話したいんだって。今度の日曜会ってあげてくれないかな?」
ママは力ない表情で無理やり私を突き放す。
「大丈夫だから」
「ママ、病院に行こう。それともパパを呼ぼうか?」
ママは一呼吸つくと、鋭い視線を私に投げかけ、こう言い放った。
「パパには絶対に言わないで。美月、約束して」
……なんで?
なんでなの、ママ。
初めて、パパに秘密ができた。
きっと、パパとママの間でも、初めての秘密。
なんでなの?
ママ……!!
ママは自分で起き上がると、蒼ざめた顔で皿の破片を片付け始める。
私はそれ以上、ママに声をかけられなかった。
ママの表情はいつになく真剣で、娘の私すら寄せ付けない眼差し。
初めてママがわからなくなり、私は言い知れない不安を覚えた。
夕食も終えてなんとか落ち着いたママを見て、私は部屋に戻り、沙希との約束を果たすためにカバンから携帯を取り出す。
そんな気分じゃないんだけど。
拓ちゃんはメールが嫌いだから、いつも電話をかけることにしている。
「拓ちゃん、帰ってた?私だけど……」
「ああ、美月。どした?」
いつもながら、そっけない返事だと思いながら私は親友のために早速核心に入ることにした。
善は急げ、だ。
「あのね、私の親友の沙希って知ってるでしょ?沙希が拓ちゃんと会ってゆっくり話したいんだって。今度の日曜会ってあげてくれないかな?」