満月の日の夜【短】



救急隊員が彰哉に
何か持病は?と聞くと彰哉は苦しそうに顔をゆがめながら答えた。


「あ、えっと心臓に欠陥が.....。」


そんなの、知らなかった。


なんで。

なんでっ

「なんで教えてくれなかったの?
秘密は無しって昨日約束したじゃん!」


「だって....言ったら..黄菜は泣くやろ?」


彰哉は苦しそうに顔をゆがめながら
それでも答えてくれた。


「...でもっ........」


それから先は涙があふれ出して口にすることができなかった。


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