ずっとわたしを支えてください。

「ね、あすか!今日からうちのクラスに男子転入生来るって!」

「まじ?どんな人?」

あたし、瀬川あすか
私立板橋高校の2年生

あたしの地元は田舎で
どうしても都会に住みたい
という理由で高1の春から
一人暮らしをしている

初めは慣れなかったけど
今は家事を全てこなしている

生活費も、親が送ってくるし
バイトもしている

そして、今となりにいるのは
相川麻希。
そう、あたしの友達。

「わかんないけど、さっき高ちゃんに言われた!」
高ちゃんというのは
うちのクラスの担任で
本名は高田佑二。

みんなから通称"高ちゃん"
と呼ばれている



―ガラガラガラ

「おらー、席につけ。転入生紹介するぞー。」

高ちゃんがいつも通り
教室に入ってくる。

「じゃあ、あたしは席に着くね。バイバイあすか。」

「うん、バイバイ。」

転入生……どんな人かなあ
イケメンだったりして

期待に胸を膨らませて
転入生が入って来るのを待つ


「んじゃ、入ってこい」


―――「キャ、キャーーー!!」

え、なに!?

クラスの大半の女の子が
悲鳴をあげている。

ゎ、ぁわわわわ………!!!


黒板の前に立っていたのは
爽やかで王子様スマイルを
振り撒いている
1人の男子生徒。

他の男子が見たって
誰もがイケメンだと
豪語するだろう。


「尾崎泰雅です。
こっちには来たばかりなんだ。
もしよかったら色々教えてください、よろしく。」


律儀で愛想の良い
挨拶をした彼は
高ちゃんの指示で
私の隣の席に座る。


「よろしくね。」

「あ、はい。ど、どうも……。」


尾崎君って爽やかだなー。

こんな爽やか王子が居たなんて……。


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