攻略難関なイケメン君。
自分がこんなにビビりでチキンだとは思わなった。
こんなダサ男に死ねと言われたぐらいで怯むとは思わなかった。
・・・・―――見ず知らずの人間に死ねと言われたぐらいで・・・。
って思ってたのに。
今、あたしすっごいビクっている。
あんまり低い声で言われたから・・・。男子に嫌われたことなんてなかったから・・・。
さすが一応は男子・・・。女子の暴言と違って瞬殺やな。
「・・・ムリ。あたしは死ねませ・・・ん。」
ビビりながらそう言うとそいつはいきなりあたしの手首をつかんだ。
な・・・何!?
見る見るうちに押し倒されたあたしはとうとう自分に人生最大の危機が押し寄せていることを痛感した。
馬上乗りになってあたしの上に座っているそいつは本当に怖かった。
雨音だけが響き渡る中、沈黙が続く。
しかし彼の発言によって破られた。
「・・・ざけんな。」
「え?」
「ふざけんなよ、お前なんかに何が分かる?」