彼の薬指
ふと彼がわたしを見て


「煙草吸うの?ちゃんと成人してる?」


と冗談交じりに笑った


『失礼ですねぇ!こう見えても22なんです!』


確かに、顔つきは妹の美羽と比べて
わたしの方が若干子どもっぽいところがある


『もう、大人ですよーっ』


ツンとして見せるわたしを、彼は笑って


「まだまだ子どもだよ」

と言う


「それ、マイルドセブン?渋いね。
 一本貰ってもいいかな」


『どうぞっ』


22歳にもなって、子どもと言われたことに
少しムッとしながら、ぶっきらぼうに煙草を渡す


それをまた彼は笑い


「ホラ、そういうとこ」


と、煙草を受け取った
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