彼の薬指
金曜日の夜

美羽の涙

とりあえず妹のお店の近くにあるコンビニに入り、携帯電話を取り出す

リダイアルから美羽の番号を出し、耳に当てる


RRRRRRR…
RRRRRRR…

RRRR


「もしもしお姉ちゃん?」


『あ、美羽?お疲れ様。どこか入る?』


「うん、今どこにいるの?」


『お店の近くにあるコンビにだよ』


「あ、わかった~!すぐ行くね!」


妹との電話を切り、わたしは煙草を1箱買って外へ出た


少しすると、私服に着替えた美羽が走ってきた
白いコートに、無地のワンピース
黒のブーツを履いて

少し泣いたんだろう。目が赤くなっていた


「おまたせ!どこに行こうか?」

『んー…美羽に任せるよ』

「じゃあ、わたしがいつも行く所、行ってみようか」

『うん』


夜なのに、ビルの明かりや看板のライトに照らされた、明るい路地を歩いていく
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