先生、好きになっちゃいました。
「ほぉ~」
先生がゆっくりと近づいてくる。
それと並行して私の心臓がドキドキ言う。
「じゃあこの問題解けるよな?」
前のホワイトボードに書かれた数学式を
指でさしていた。
意味のわからない式。
助けを求めようとして千亜妃の方を見るが
私は知りません~と言うかのような顔をして
窓の方を眺めていた。
「え、わかんねえの?」
ばかにしているような声で
問い詰めてきた。
「わ、わかりますよっ!余裕だし!」
あ~あ、私何言っちゃってんだろ。
ほんとは全くわかんないくせに。
無駄な意地を張るんじゃなかった。