腹黒剣士に惚れました。
「できたわ。これで貴女の願いはいつでも叶うわ。」
浅く微笑む姿には同性の私ですら少し鼓動が速まる程美しかった。
「ありがとう…」
「いいえ、お礼をしなきゃいけないのは私の方よ。本当にありがとうね。……それじゃあ早速だけど向こうに行ってもらってもいいかしら。」
少しの間の沈黙。緊張感で張りつめた空気になっていた。
それでも鈴羽はなんの躊躇も無く真剣な表情で答えた。
「お願いします。」
三度目の眩しい光の発光により意識は途絶えた。ただその中で一瞬時神の心配そうな顔が浮かんだ事を私は覚えていた。
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