幼馴染みに奪われました



今にも笑いだしそうな葵君は、口を手で緩く抑え 涙を拭きながら言った。





「…どうやら趣旨が分かってないようだね…。 まあ、なんというか…中井さんって…天然だったんだね♪」






「天然…?」






「ああ。分かんなくていいよ。 むしろ面白くてそっちのほうがいいのかもしれない。オレ的にも。あいつにも。」







あいつ……?





さっきから頭が回んないや…。
何を仰っておるのか…理解不可です…。







「っふふ…」





「? どうしたんですか?」





「…あ、睫毛付いてるよ。 頬っぺに」





葵君が自分の右頬を指差し、教えてくれたけど……。






「…あの…よくわかんないので、取ってもらってもいいですか?」





「いいよ♪ 取ってあげる♪ でも見られながら取るの恥ずかしいから目、瞑って♪」





「あ、はい」






葵君でも見られながら取るの恥ずかしいんだ…






そう感じながら目を瞑った――。






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