幼馴染みに奪われました



『…あ、ごめん。迷惑…だった?』




悲しそうな葵君の表情が想像できた。





「ううんっ! 電話、してくれるんだって思って…」




『……キミに思われているオレのイメージって…』





「あっ…! そういうことじゃなくて…!!」





『ッフ……いいよ、いいよ。』





「…あの…、私に電話したのは……?」






『…えっと…その……』




「?」





何かの相談…?







『…オレと、どっか行かない?』






「………………へ?」





え、今何て……





『あぁ~! やっぱ迷惑だったよな!! ごめっ…』





「いっ、いえっ!! 迷惑だなんて思っていません!! 私でいいならぜひっ行かせて下さい!!」






『…え? 本当に??
っしゃあぁぁ!!!』





て…、テンションが…。





『じゃっ! 駅前集合なっ!!』





「うっうん! 早く準備するね!」





『ゆっくりでいいから。』





や…優しい!!






「分かりました。準備、してきますね」





「おう、よろしくな~」





ーピッ






「じゃあ、準備しますか」






とは言ったものの……。




「……何着ればいいんだろう………」





今まで男子と二人でお出かけはしたことがない。





未経験のあたしにはさっぱり分からない。






「…どうしよう」






ソワソワしていると……






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