天神学園高等部の奇怪な面々21
「奥方」

そんな彼女に、そっと声をかける鈴木さん。

ややあって。

「ごめんなさい、鈴木さん」

少しシュンとしたような奥方の声。

「折角買ってきてもらったのに…急に食欲なくなっちゃって…しばらくしたら美味しく頂きますから…冷蔵庫にでも入れておいて下さい」

自分の身勝手を詫びるように呟く奥方。

己でも精神の不安定さを持て余すような状態なのかもしれない。

冷たい態度をとるのも、決して故意ではないのだ。

だから。

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