天神学園高等部の奇怪な面々21
まんまと夕城邸を追い出され、トボトボと歩く鈴木さん。

「旦那もジョークが通じないです、はい。アメリカ仕込みのウィットに富んだユーモアだったというのに、はい」

アメリカ仕込みにしては、いつもと変わらなかったが。

…さて、しばらく帰ってくるなと言われたものの、鈴木さんに特にアテはない。

夕城邸に篭もり、湿気の強い風呂場でポエムでも口ずさみつつ、奥方が入浴しに来るのを待ち構え、あわよくばウッフーンなバスタイム観賞でもしようと思っていたくらいか。

何とも有意義でないゴールデンウイークだ。

覗いている所を旦那に発見されて三枚おろしにされなかった分、命拾いしたとも言うが。

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