天神学園高等部の奇怪な面々21
カリナはそんなやり取りを眩しそうに見つめる。

彼女の知っている吐血博士は、いつだって苦虫を噛み潰したような顔をして、次元跳躍装置の難解な計算式を前に眉間に皺を寄せていた。

一度だって笑顔なんて見た事がない。

それがどうだ、こちらの世界では簡単に笑みを浮かべ、饒舌に語り、そうかと思ったら血を吐いてハラハラさせて…。

天才なのは同じだが、まるで別の人間のようですらある。

住む環境によって、人間はこうも違ってくるものなのか。

こんなやり取りを、向こうの世界の彼ともしてみたかった…。

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