天神学園高等部の奇怪な面々21

次男のバイオリン弟こと橘 拓斗（たちばな たくと）も、武道の稽古に熱が入っている。

本来ならば音楽一家の一人として、荒っぽく汗臭い武道の道に進む事はなかっただろうに、本人の強い希望もあって、スペシャルバカと肩を並べて修行に勤しむ事となった。

完璧超人もスペシャルバカも、すぐに音を上げてやめていくだろうと踏んでいたバイオリン弟の修行。

家柄のいいお坊ちゃんの道楽程度と考えていたその稽古は、周囲が目を見張るほどに真剣に行われ、今やスペシャルバカと拳を交えるまでに成長している。

無論まだ太刀打ちは出来ないが、僅か数ヶ月でまともな打ち合いができるまでに成長したバイオリン弟。

音楽も武道も同じ。

並外れた努力によってのみ、その才能は引き出されていくのだ。