天神学園高等部の奇怪な面々21
「その子は僕の愛しい妹~♪ごめんね寂しい思いをさせて~ルリルリラ~♪」

「お兄ちゃん!」

やっと再会できた兄に、花音の表情が華やぐ。

「何だコイツ?」

「兄ちゃんか親戚か知らねぇけど、ナンパの邪魔してんじゃねぇよ!」

和音のバイオリンを掴み取ろうとするヤンキー。

しかしそれよりも早く。

「い゛ででででっ!」

拓斗がそのヤンキーの腕を掴んで捻り上げた。

「兄さんや花音に暴力を振るわないでもらえますか?」

普段気弱な拓斗だが、老師である完璧超人に『近しい者を守る時のみ、修行で身につけた技を護身の為に使ってもよい』と言われている。

そして、スペシャルバカと毎日のように組手をしている彼にとって、ただのヤンキーの動きなど幼稚園児のお遊戯も同然だった。

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