また、会おうね・・・

 あれは、私と翼が出会う5年前。

もちろん、あの時の人が私だってことは翼は分かっていない

幹部の皆と歩いていると後ろからものすごい殺気を感じた。

後ろを振り向くと鉄パイプを振り回す翼がいた。

「やめろ」

私は、低い声で言った。

でも、翼には届いていない。

翼は私に鉄パイプを当てようとした。

でも、それをギリギリで受け止め翼の鳩尾を足でける。

「・・・っ」

この時の翼は死んだような魚の目をしていた。

翼は空っぽだった。

私は空っぽの翼に・・・

「意味のない喧嘩なんかするんじゃねぇ・・・」

「・・・んでだよ」

「探せ。自分の守りたいモンを。それを守り通す男になれ。そういうやつが

   本当に強い男だ      」

この言葉が胸に響いたのか翼は泣きそうな顔をした。

「じゃあな・・・」
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