桜の季節にまた
チャイムが鳴ると、仮担任らしい先生が入ってきた


なんとも高校らしい若々しい熱血教師だ


高校には中学よりおじーちゃんが少ないと聞いていたら、まさにその通りで


なんだか嬉しくなってしまう


軽い出席確認の後、廊下に並び、アリーナに行った


まりなチャンは相変わらず、私に話しかけてくれて、とても有り難い


声をかけてもらえなかったら、今だって…きっと一人だ


前を歩くまりなチャンを追いかけるようにとてとてと小走りで走る


「いたッ…」


何かに躓いて、私は前のめりになる


その時、誰かがふと袖を引っ張ってくれた


横を見たら、なんだかとてつもなく「イケメン」な男の子。


「………あ、ありがとッッ」


我を忘れて、見つめてしまった私が恥ずかしい


「初日から怪我したら大変だよ」


とその子はにっと笑った。


やんちゃな男子って感じの男の子だった


「ほんと、膝血まみれになって入学式になるとこだったょ」


「そりゃ大変だな、ギリギリ掴めて良かった」


良い人だ…なんて良い人なんだ


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