今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
スライドドアが開き、暁は私の存在に気づいたものの驚くこともなく、いつもの無表情で人ひとり分空けて座った。
その後はというと、まー兄と暁は楽しげに話し始め、まるで私は同じ空間にいないかのようだった。
だけど、私は近くに暁がいるということだけでドキドキしていたので、それはそれで2人が盛り上がってくれていたので助かった。
暁を乗せて走り始めてから10分が経った頃、まー兄が用事があるからと言って、コンビニに車を止め、私と暁を残して店内へと行ってしまった。
突然訪れた2人きりの空間。
会話が弾む……ことはない。
今まで男の人といて沈黙が続くのは苦痛じゃなかった。
むしろ話したくなかった。
でも、暁と2人きりでこの状況はさすがに耐えられず……私から口を開いた。
「彼女さん、体調大丈夫だった?」
「……あぁ」
「……そっか。良かったね」
「でも本調子じゃねぇから、さっき家に送ってきた」
「そ、うなんだ」
さっきのピンクの家がるいさんの家だったのかな……。