今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


こんな状況に……その大切にされている彼女が、私だったらいいのに、なんて考えている。



そんな自分に、ただただびっくりしている。



これ以上変なことを考えないように、私はとにかく会話しなきゃと思い……なんとか質問を絞り出した。



「彼女さんとは……いつから付き合ってるの?」

「それ本気で知りてぇの?」

「も、もちろん」

「もうすぐ1年になる」

「1年……って、すごいね!」



自分で聞いておきながら、胸の中に重りを入れられたかのように落ち込んだ。



付き合ってから1年も経つなんて……そんなの恋愛経験ゼロの私からしたら、家族同然なんじゃないかとすら思える。



1年同じ人を好きでいるってすごいなぁ。



るいさんの存在が、私の中で更に大きくなった。



2人には私の知らない1年間の絆があるわけで……私なんてまだ何も始まってなければ始まるわけもないのに、暁を……遠くに感じた。

< 107 / 385 >

この作品をシェア

pagetop