今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
こんな状況に……その大切にされている彼女が、私だったらいいのに、なんて考えている。
そんな自分に、ただただびっくりしている。
これ以上変なことを考えないように、私はとにかく会話しなきゃと思い……なんとか質問を絞り出した。
「彼女さんとは……いつから付き合ってるの?」
「それ本気で知りてぇの?」
「も、もちろん」
「もうすぐ1年になる」
「1年……って、すごいね!」
自分で聞いておきながら、胸の中に重りを入れられたかのように落ち込んだ。
付き合ってから1年も経つなんて……そんなの恋愛経験ゼロの私からしたら、家族同然なんじゃないかとすら思える。
1年同じ人を好きでいるってすごいなぁ。
るいさんの存在が、私の中で更に大きくなった。
2人には私の知らない1年間の絆があるわけで……私なんてまだ何も始まってなければ始まるわけもないのに、暁を……遠くに感じた。