今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
………涙は、私の意思とは反して溢れ出てくる。
「泣くな。うぜぇ」
窓を向いているはずなのに、私が泣いていることに気づいたらしい。
さらに低い声が私の胸に響く。
「泣いてません」
泣いちゃダメと思えば思うほど、涙はとめどなく溢れ出てくる。
「泣いてんじゃねぇかよ。鼻すする音聞こえんだよ」
「泣いてません」
「うぜぇ」
さっきから聞いてれば……うぜぇうぜぇ、言いすぎじゃない?
さすがに私の中で何かがプツンと切れた。
「うざくない」
「あ?」
反抗してきた私に、さらに声を低くしてくる暁。
「彼女のこと聞かれただけで怒ってる暁の方がよっぽどうざいよ」