今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「なぁ、お前まだあの女と続いてんの?」
「……まぁ」
どういう話の流れでそうなったのかは分からないけど、まー兄の言い方からして名前は出してなくても、あの女が"るいさん"のことだというのはすぐに分かった。
「まだ責任感じてんのかよ」
「それは関係ないです」
「でもなぁ……」
「本当に大丈夫なんで。雅己くんは気にしないでください」
意味深な会話を私は耳を大きくして聞いていた。
すると、ちょうど暁の家の前に着いた。
「これ、借りてた漫画と前貸してほしいって言ってたやつ」
「ありがとうございます。また連絡ください」
「おう、じゃあまたな」
車を降りてからも「ありがとうございました」と一言言った後に軽く頭を下げた暁。