今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


「まー兄は何でそこまでるいさんのことを毛嫌いするの?」

「最初から嫌いだったわけじゃねぇよ」

「じゃあ、どうして?」

「たまたまファミレスであの子と隣の席になったことがあって……」

「るいさんと?」

「あぁ。俺も向こうも友達と来てたんだけど、お互いに背中を向けてたから向こうは俺に気づいてなかった」



まー兄も後輩の彼女だし、そこまで気にすることなく友達と他愛もない話をしていたらしい。



すると、隣の席が暁の話題になり、るいさんは淡々とこう言ってたという。



「暁はああ見えて優しいから、暁のことをつなぎとめておくには、私がいかに可哀想な女をアピールできるかが大事じゃない?」



一語一句すべて合ってるわけじゃないけど、ニュアンス的にそんな感じのことを言ってて、背中を向けながらも驚きを隠せなかったという。



「聞き間違えかと思ったよ。でも、そのあとも暁が心配してくれるためにはどうすればいいかって話してるのが聞こえて……さすがに鳥肌が立った」

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