今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


まー兄はそう言って自分の腕をさすった。



「女ってウソつくのが上手いって言うけど、ここまで上手いとは思ってなかったなぁ……」

「るいさんがそう言っていたこと、暁には話したの?」

「迷ったけど……とりあえず話した。暁もあの子への気疲れでその時荒れまくってたからさ」



そうなんだ……。



本当のことは本人しか分からないからなんとも言えないけど、暁はるいさんのどんな部分でも受け止めているのかもしれない。



「俺は……さすがにあの子に暁を解放してもらいたいよ」



そう言った後、まー兄は深くため息をついた。



まー兄の言ってることは分からなくもない。



もし本当にるいさんがお兄さんの死を利用して暁をつなぎ止めているんだとしたら、暁を解放してほしいと思う。



……でも、るいさんの気持ちだって暁の気持ちだって私は知らないのに、勝手に想像を膨らませるのは良くないと思う。



暁はもうるいさんとのことを聞かれたくないみたいだから、私が首を突っ込むことはできない。



結局はかやの外というわけだ。



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