今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
娘と一緒にランチに行ったり、買い物したりしたかったと思う。
一般的な母と娘の姿ってそういうものだよね……。
私はその夢を必然的に奪ってしまっていた。
だけど、ママはなにひとつ文句を言うことなく、私の気持ちに寄り添ってくれた。
決して鳥のかごに入れるように私を世間から遠ざけるわけではなく、私がしたいように、無理しないように見守ってくれていた。
今日のこの決断も否定することなく私の意見を尊重し、母として娘が成長できるようにしてくれる……私のママは、そんな人。
どうして私だけがこんな人生を歩まなければいけないんだろう……と卑屈になったこともあったけど、私の周りにいる人、出会った人たちのおかげで、私は少しずつ前へ進めている気がする。
「ママ、ありがとう。私ママの子どもで本当によかった」
「こちらこそ、ママを選んで生まれてきてくれてありがとう」
見つめあいながら、お互いにおかしくなっちゃって、ママと私は声を出して笑った。