今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


しぶしぶ1階のトイレまで行き、ことを済ましてトイレのドアを閉めた。



だが、次の瞬間、突然誰かに肩に手を置かれた。



全身に鳥肌がたつのが分かる。



「きっ……!」



叫んだはずなのに、後ろから回ってきた手によって口を押さえられ、私の叫び声が家中に響くことはなかった。



肩を掴まれ、そのままクルッと180度回転させられた私はドアに背中を押しつけられる形になった。



必然と相手が目の前に現れ……怖さから心臓がバクバクしている私は、ただただホッとした。



「叫ぶなよ。バカ」



目の前にいたのは……暁。



トイレの前にはお風呂と脱衣所があるため、どうやらちょうどお風呂あがりの暁と鉢合わせしてしまったみたいだ。



「バカって……そっちが急に肩に手置いてくるからびっくりしたんだよ?!」

「声かけようと思っただけだろ」

「なら先に声かけてよっ。暁がいるなんて知らないから、ほんと、心臓止まるかと思った……」


< 132 / 385 >

この作品をシェア

pagetop