今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「それは、その……」
なんで説明しようか必死に考えていると、階段からまー兄ともうひとりの友達の話し声が聞こえた。
階段を下りてくるのが分かり、焦りまくった。
まー兄が、上半身裸の暁に壁ドンされている私を見たら、怒り狂って暁をボコボコにしちゃうか、あまりのショックに気絶するかのどっちかだと思う。
とっさの判断で、暁の腕を掴み強引に脱衣所に2人で逃げ、脱衣所のドアの鍵を閉めた。
「なんで隠れんだよ」
「そんな格好の暁と私がくっついてたらびっくりされるじゃんっ」
不服そうな暁をよそに、私はドアに耳を当てて話声を必死に聴いた。
「ちょっとコンビニ行ってくるわー」
恐らくママたちに向かって言ってるんだろう。
遠くからまー兄の声が聞こえてきた。
足音がどんどんこちらに近づいてくるのが分かり、耳を当てていたドアをコンコンとノックされたので、私は思わず肩がビクッとなった。