今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「暁ー?おまえもう出たー?俺らコンビニ行くけど行くー?」
まー兄のその問いかけに、私は暁に向かって全力で顔を横に振った。
お願い……!
私がここにいることがバレたら家中がパニックになるから、どうか切り抜けて……!
しゃべることができず顔で必死に訴えかけた結果、暁に私の思いが届いたらしく、暁はドアの向こう側にいるまー兄と友達に向かって「もうちょいかかるんで、行っててください」と言ってくれた。
「りょうかーい」という声がしたあとすぐに、玄関の鍵が閉まる音がして、まー兄たちがコンビニへ行ったのが確認できた。
はぁー……。
なんとか終わった……。
ホッとしたのも束の間、脱衣所に押し込んだときに暁の腕を掴んだままそのままだということに今気づいた。
「ごっ、ごめん!」
私は急いで腕を離した。
暁の様子を伺ってみると……意味ありげな顔で私のことをジッと見ていた。