今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


これ以上暁と一緒にいるとどんどんむなしくなるだけだから、もう部屋に戻ろう……。



そう思って立ち上がろうとした私の腕を暁が掴んだ。



「俺のこと兄貴だと思ってんなら、ドキドキしねぇよな?」



私を見つめるその目は……獲物を狙う悪魔そのもの。



その目をずっと見ていることなんてできず、私はすぐに目を逸らした。



不思議と怖くないのは、暁が私の嫌がることはしないって分かってるからかもしれない。



「ドキドキなんて、するはずないよ……」



せいいっぱいの強がり。



そもそも、暁は何でそこまで私が暁に拒否反応が出ないことが気になるの?



ここまでどうして問い詰めるんだろう……。



「それって、かなりムカつく」

「え?」



ムカつく?

今、暁がムカつくって言った?



「どういうこ、と……っ」



暁の言葉の意味を知りたくて、恐る恐る顔を上げたら……次の瞬間には、暁の顔が目の前にあって、私たちは唇を重ねていた。



< 138 / 385 >

この作品をシェア

pagetop