今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
これ以上暁と一緒にいるとどんどんむなしくなるだけだから、もう部屋に戻ろう……。
そう思って立ち上がろうとした私の腕を暁が掴んだ。
「俺のこと兄貴だと思ってんなら、ドキドキしねぇよな?」
私を見つめるその目は……獲物を狙う悪魔そのもの。
その目をずっと見ていることなんてできず、私はすぐに目を逸らした。
不思議と怖くないのは、暁が私の嫌がることはしないって分かってるからかもしれない。
「ドキドキなんて、するはずないよ……」
せいいっぱいの強がり。
そもそも、暁は何でそこまで私が暁に拒否反応が出ないことが気になるの?
ここまでどうして問い詰めるんだろう……。
「それって、かなりムカつく」
「え?」
ムカつく?
今、暁がムカつくって言った?
「どういうこ、と……っ」
暁の言葉の意味を知りたくて、恐る恐る顔を上げたら……次の瞬間には、暁の顔が目の前にあって、私たちは唇を重ねていた。