今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


私は背中をドアに寄りかかるようにして、右手は暁に捕まれ、左手で暁の胸を押すも……びくともするはずがなかった。



自分を支えるように私の顔の横に右手をついて、私に覆いかぶさるようにキスしてくる暁。



私は抵抗したいのか抵抗したくないのか、それすらももう分からなくなっていた。



心臓がバクバクでどうにかなってしまいそう。



初めてのキスとはまったく違い、ゆっくりと離れる暁を私はただただ見つめた。



「暁の、考えてることがよく分からない……」



……無意識のうちに、目からは涙がこぼれた。



「るいさんがいるのに、どうしてこういうことするの……?私のこと、からかってるの?私の気持ちに気づいてるから?」

「……」

「そうだよ……。ドキドキしないわけないよ。だって、暁のこと……好きなんだもん。るいさんがいるって分かってても好きになっちゃったんだもん」



暁の気持ちが分からなすぎて、私の中の暁に対する思いがすべて溢れた。



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