今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


「ドキドキしてるのだって気づいてるでしょ?そ、それなのに、こんな、試すようなことして……っ、せっかく人が、諦めようとしてるのに……っ」



もう涙で顔はぐちゃぐちゃ。



暁の顔を見ることもできない。



ひたすら暁の胸を叩いた。



思いが届くことがない悲しさが、さらに自分を追いつめた。



「諦めなくていい」



暁の低い声がやたらと胸の奥に響く。



「そのまま、俺のことを好きでいろ」



暁……?

なにを、言ってるの……。



「俺も、おまえが好きだ」



え……?



頭の中で何度もその言葉がリピートする。



「おまえ、って……私のこと……?」

「おまえ以外に誰がいんだよ」

「だ、って、ちょっと待って……。暁も私のことが好きなの……?」

「なら、もう1回分からせてやろうか?」



暁はそう言って、私のあごを持ち再び顔を近づけてきた……。



片手で暁の口を押さえ、さすがに阻止した。



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