今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


「ちっ」と舌打ちした暁は、ゆっくりと私から離れた。



阻止しておいてなんだけど、離れられたらそれはそれで寂しくなった。



……って浮かれてる場合じゃない。



「暁には……るいさんがいるでしょ?」



何で私のことを好きになったのか、いつから私のことが好きなのか……気になることはたくさんだけど、今知るべき問題はそこじゃない。



暁にるいさんの話をするといつも機嫌が悪くなるから、深くは聞けなかった。



るいさんにとって暁が大きな存在なのは確かで……暁にとってのるいさんはどういう存在なのか、それが私はずっと知りたかった。



「るいとは、もう別れることになった」



ゆっくりと、暁は話し始めてくれた。



「るいとのことは、なんとなく雅己さんから聞いてんだよな?」

「うん……」

「ちょうど1ヶ月前くらいに、俺が別れようって口にした。あっちは嫌がったけど、好きな女がいるって言ったら……条件つきで別れることになったんだ」


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