今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


暁を見たあと、そのまま視線はななめ後ろにいる私に移り……おじさんの目が飛び出るんじゃないかと思うほど驚いた顔をしていた。



「まさか、女の子連れてきたのか?」

「あぁ。じいちゃんに紹介したいと思って」

「ほう……。まぁ、とりあえずそこにでも座れ」



じいちゃんってことは、暁のおじいちゃんってことかな……。



おじいちゃんのお店に連れてきてもらったことも嬉しいけど、それよりなにより……"紹介"がどういうことなのか気になって仕方ないんですけど?



暁のおじいちゃんに言われた通りにカウンターの席に座った暁と私。



私の右隣に暁が座り、暁はスマートに飲み物のメニューを開いて私の前に差し出してくれた。



「好きなやつ頼め」

「あ、うん……。じゃあ、アイスココアでお願いします」

「はいよー。暁はいつものでいいか?」

「あぁ」



心なしか、おじいちゃんへの"あぁ"は、普段より柔らかく聞こえるのは気のせいだろうか。



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