今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


「俺がややこしいことしてきたから、こんなことになってるっていうのは分かってる。だけど、過去はどうにもできない」

「……うん」

「だから、とりあえず他のことは考えんな。俺のことだけ考えてろ」



暁はそう言って……私の両頬を片手でギュッと掴み、私の唇を尖らせた。



今こそ、キスする瞬間じゃないの……っ?



そう思いつつ、内心かなりドキドキしていた。



「……分かったか」

「……わひゃった……」



暁はすんなり手を離し、ゆっくりと私からも離れた。



るいさんのことは、私がどんなに考えたって意味がない。



罪悪感が消えることはないし、100%不安が消えることだってない。



誰かと付き合うことって、いろんな感情を抱えなきゃいけないんだ。



……だけど、1番大切にしなきゃいけないのは暁への気持ち。



私は暁が大好きで、暁は私のことが好き。



そんな奇跡を、私は大切にしなくちゃ……。



< 182 / 385 >

この作品をシェア

pagetop