今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「俺がややこしいことしてきたから、こんなことになってるっていうのは分かってる。だけど、過去はどうにもできない」
「……うん」
「だから、とりあえず他のことは考えんな。俺のことだけ考えてろ」
暁はそう言って……私の両頬を片手でギュッと掴み、私の唇を尖らせた。
今こそ、キスする瞬間じゃないの……っ?
そう思いつつ、内心かなりドキドキしていた。
「……分かったか」
「……わひゃった……」
暁はすんなり手を離し、ゆっくりと私からも離れた。
るいさんのことは、私がどんなに考えたって意味がない。
罪悪感が消えることはないし、100%不安が消えることだってない。
誰かと付き合うことって、いろんな感情を抱えなきゃいけないんだ。
……だけど、1番大切にしなきゃいけないのは暁への気持ち。
私は暁が大好きで、暁は私のことが好き。
そんな奇跡を、私は大切にしなくちゃ……。