今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「私ね、暁のことが好き」
角を曲がり、家まであと数歩のところ。
今……言いたいなと思った。
「急になんだよ」
照れてるのか、素っ気ない暁。
「さっき言いたいことは言えって暁が言ったでしょ?」
そんなことを言ってたら、家の前に到着した。
しかし、言っておいてなんだけど……だんだんと恥ずかしさが買ってきた。
歩きながら、しかも家の前でなにを口走っちゃっているんだろう……っ。
「じゃあっ、また明日ねっ!」
勢いでこのまま家の中へ入ってしまおう!という魂胆で、いつもより機敏に家の門を開けようとした。
「心優」
悲しくもそれは叶わず、その低い声で動きが止まった。
暁に名前を呼ばれて、振り向かずにはいられない。
私はゆっくりと振り向き……私より20cm大きいであろう暁を見上げた。
顔が近づいてきて、2人の唇が重なる。
そっと離れ……暁の瞳に私が写っているのが見えた。