今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
このキスは"好きだよ"という意味なのかな……なんて思ってみたり。
そういえば、今日だけで3回もキスされてる気がする。
付き合うとそういうものなの……?
それとも……。
「……暁って、キス魔なの?」
「……は?」
「なんか、今日たくさんしてる気がして……」
少女漫画や小説をたくさん読んでいるため、恋愛に関する知識だけは無駄にある。
「付き合うと、みんなこういうものなの……?」
「他がどうかは知らねぇけど……」
暁は私の肩に手を置き、ゆっくりと顔を近づけてきて……。
「心優がキスしたくなるようなことするから悪いんだろ」
私の耳元に甘く低い声で、そうささやいた。
「じゃあな」
暁はあっさりと今度こそ帰っていった。
1人家の前に取り残された私。
ドキドキと、顔が赤くなっているのが落ち着いてから家に入ることにした。