今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
パパがお風呂に入っている間、いつものように私とママはソファーに並んで座り、テレビを観ていた。
「ねぇ、ママ……?」
「んー?」
「私に彼氏ができたこと、なんで驚かなかったの……?」
パパがいるときには聞けなかったため、待ってましたと言わんばかりに私は口を開いた。
「もしかして、気づいてた……?」
「まぁね。なんとなく、好きな人がいるのかなぁとは思ってた」
「そうなのっ?!」
そんなに顔に出てたのかな……?
「何年、心優の母親やってると思ってるの。それくらい気づくに決まってるでしょ?」
「そんなにいつもと違ってた……?」
「そうだね。いつもよりお風呂が長かったり、ソファーで何か考え事してたり……あ、あと、沙良ちゃんとの電話も少し聞いちゃった」
「え……っ!」
そのあと、ママが「ごめんねっ」と、舌をぺろっと出して謝ってきた。
もちろん、こんなに可愛く謝られたら怒るに怒れない。