今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


そんなママに、好きな人ができたんだとちゃんと話せなかったことは、とても後悔してる。



自分のことでいっぱいいっぱいで、周りにいる人のことを考えられてなかった。



ママはいつだって、1番の味方でいてくれる。



それに甘えて、当たり前のように思っていた。



謝らなきゃいけないのは……私だ。



「ママ、今までたくさんごめんね。そして……ありがとう」



ママの顔をふと見ると、ママの目にも涙が浮かんでいた。



だけどママは笑っていて、そのまま私のことを優しく抱きしめた。



「……心優が謝ることなんてなにひとつないよ。心優が辛いなら、その辛さをママに分けてほしいし、心優が幸せなら、ママも幸せ」

「……うんっ」

「好きな人ができて、よかったね」

「今度、ちゃんと話すね?」

「楽しみにしてる」



私のママがママでよかった。



いつか、私に子どもができたとき、同じようにその子の辛いことも嬉しいことも全部、受け止められるようになりたいと……強く思った。

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