今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


暁の優しく低い声が、私の心の中へと入り込んだ。



「こんな俺とちゃんと向き合おうとしてくれたのは、心優さんが初めてでした」

「……」

「だから、心優さんはもちろん……心優さんの家族ともちゃんと向き合いたかったんです」

「……」

「見た目や今までの生き方は、決して真面目とは言えません。だけど、心優さんへの気持ちは真剣なので、付き合うことを許していただけたらなと……」



暁が、私と付き合うことをここまで真剣に考えてくれているとは思ってなかった。



私は、暁のことを好きになってから、いろんな暁を知ろうとすることに必死だった。



それが必然と暁と向き合うことになっていたのかもしれない。



どんなに冷たくされても、突き放されても……結局気持ちは離れなかった。



あの頃は辛かった。



だけど、今の暁の言葉であの頃の私が報われた気がする。



大好きな暁が、今度はちゃんと私のことを知ろうとしてくれているんだ。



< 196 / 385 >

この作品をシェア

pagetop